こんにちは。漫画ソムリエのななです。
今回は、ひうらさとる先生の作品「月下美人」とその登場人物にゃーについてお話します。
- このページでわかること
- 漫画「月下美人」の全体像
- 原作協力者の存在
- TOKIOのメンバーがミュージカル版に出演
- BUCK-TICKの今井寿さんと登場人物にゃーが似ていること
漫画「月下美人」について
ひうらさとる作「月下美人」は、雑誌「なかよし」に1989年10月号から1990年12月号まで掲載された少女漫画です。
あらすじ
主人公佐倉月子は、高校1年生。都立高から私立の「クレセント学院」へ転入したところから、物語は始まります。
ある日、都立時代からの親友ひさ子に連れられて、アマチュアバンド「Be-2」のライブを観に行った月子は、ボーカルの男の子が、クレセント学院に転入した日に、下駄箱で出会った2年生の小泉薫だと気づきます。
そのライブに来ていたデザイナーのヤマダ・タローは、薫に見惚れる月子を見て魅力を感じ、自分の立ち上げた新しいブランドのイメージモデル「ミズタマ」に起用しました。
月子は、自分が「ミズタマ」だということを周囲に隠して、高校生とモデルの仕事の日々を過ごします。
すると、薫と「ミズタマ」の距離がだんだん近づいていき…。
ぷちかいせつ
吉上恭太
この漫画はひうらさとる先生の作品ですが、「原作協力・吉上恭太」とあります。
作品のしめのあいさつにも、
このアツイお話をさらにアツくいっしょに考えて下さった吉上さん&担当さん。
月下美人第3巻 より
と吉上恭太さんへと思われる文章があります。
吉上さんは多彩な方で、コピーライターや翻訳家、漫画原作者・ミュージシャンをされています。この作品の良さの要因には、そんな吉上さんの素晴らしいアドバイスの力もあったのでしょう。
吉上さんは、Twitterでひうら先生と相互フォローされていらっしゃるので、今でもよき仕事仲間でいらっしゃるのかもしれませんね(2023年1月8日現在)。
ぼくのシンデレラ
連載当時、この作品を原案としたミュージカルが「ぼくのシンデレラ」というタイトルで上演されました。主役は、茅野佐智恵さんと当時ジャニーズ事務所に所属されていた中村繁之さんです。
そしてこのミュージカルには、まだデビューする前のTOKIOの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さんも出演されました。
ミュージカルは、原作と大きく異なりファンタジー色のある内容でした。
当時はまだ、10代と20代だった城島さんと国分さんも、現在ではご結婚されて立派なお父様になられています。月日が経つのは早いですね。
にゃーと今井さんについて
登場人物:にゃー
にゃーは、本名を伊十院竜之介といい、月子や薫くんと同じクレセント学院に通う高校生です。Be-2のベーシストをしています。
にゃーのニックネームの由来は、スピンオフ作品「ホット・スイート・HOT」(「月下美人」第2巻に収録)の中で描かれています。
この漫画の3分の1スペースは、登場人物のプロフィールコーナーとして使われており、各人物の血液型・星座・身長・体重・すきなものを知る事が出来ます。
にゃーのプロフィールにはひうら先生の愛情?が込められており、「星座:ムーミン座」「身長:高くないけど…」というように、独特なキャラクター性と同様の内容になっており、「ひうら先生、さすがです」と感動させられます。
そんなにゃーの魅力は、しもぶくれのかわいい顔で「ふだんは無口だけど、口を開くと的を得たことをずばりと言う」ところです。
今井寿(BUCK-TICK)さんとにゃー
BUCK-TICKは、1987年デビューのロックバンドで、今井寿さんはギター担当。比較的無口で、たまに話す内容が面白い方です。にゃーのおかしみのある独特の個性は、今井さんがモデルになっているかもしれません。
このコミックの巻末「読者ちゃんコンニチハ」で、ひうらさとる先生が「『にゃーのモデルはあの人でしょう?』と似たような質問をいくつもいただきます」と、書いていらっしゃいます。ひうら先生は、大人としての配慮か、ここで具体的にお名前は出されていません。
この小さな謎めかしを、にゃーのミステリアスな雰囲気と共に楽しむのが一興でいいかなと感じています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひうらさとる作「月下美人」と、登場人物にゃーについてお話しました。
ひうら先生は「このアツイお話を」と仰り、単行本の後ろにも「シンデレラストーリー」とされていますが、ひうら先生の作品には、いつも愛らしいユーモアがいっぱいです。
この漫画に登場するバンドBe-2の名前は、ビタミンB2からとったところからも伝わると思います。
読んでみて楽しんでいただけたらうれしいです。
ありがとうございました。