こんにちは。漫画ソムリエのななです。
今回は、漫画「ママレード・ボーイ」の実写映画についてお話します。
漫画「ママレード・ボーイ」について
吉住渉作「ママレード・ボーイ」は、雑誌「りぼん」に、1992年5月号から1995年10月号まで連載された少女漫画作品です。
ここから先はネタバレを含みます。
あらすじ
主人公小石川光希は、ある日突然、両親から「離婚しようと考えている」と話を切り出されます。
以前、両親が2人だけで行った旅行先のハワイで、松浦さんという夫妻と同じツアーになり、光希の父親は松浦さんの奥さんと、光希の母親は松浦さんと恋に落ちた為、離婚してお互いのパートナーを交換することにしたというのです。
これを聞いて、光希は驚き反対します。松浦家には、自分と同じ歳の1人息子、遊という子がいます。しかし、彼は、この事に別に反対していないと言うのです。結局、光希も、多数決で負けた形でこの状況を受け入れることになります。
それから、6人は一つの広い家に引っ越して共同生活を始め、遊は、光希の通う高校に転入してきました。
親友の茗子と優しい担任名村先生、中学生の時告白してフラれてしまい今は単なる友達の銀太、そして新しい同級生であり、同居人でもある遊…。
光希の、落ち着かず、ドキドキする日々が始まったのです。
ママレード・ボーイ 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
1994年、テレビアニメ放送開始
1994年3月13日から1995年9月3日まで、テレビ朝日系列でテレビアニメが放送されました。放送期間は1年半とさほど長くはありませんでしたが、今でも根強い人気のあるアニメ作品です。
2022年3月26日に放送された、「王様のブランチ」内のコーナー「語りたいほどマンガ好き」で、ニッチェの近藤くみこさんが、アニメの主題歌のサビを口ずさんでから、この漫画の紹介をしていました。
近藤さんは、光希と銀太の2人きりの教室でのキスシーンを読んで「はじめて、タイトスカートの制服っていいなと思った」と解説しています。
たしかに、タイトスカートの制服は珍しく、普段だったら窮屈なため憧れない制服ですが、このシーンでは「おおっ!!タイトが活きている!銀太すごい!」とテンションが上がってしまいます。
ママレード・ボーイ 小石川光希風 私立桐稜大学附属高等学校 女子制服コスプレ衣装仮装 ステージ 舞台服 ハロウィン クリスマス「ママレード・ボーイlittle」について
「ママレード・ボーイlittle」は、雑誌「Cocohana」にて2013年5月号から2018年11月号まで連載された、光希と遊の、妹立夏と弟朔が主役の漫画作品です。
物語は、「ママレード・ボーイ」の13年後から始まります。
立夏と朔は、同じ家に住んでおり、光希たちが通っていた、私立桐稜大学附属の中等部に通っています。学校には、光希の親友茗子の息子碧が通っていたり、銀太が教員をしていたりと本作の内容をしっかり引き継いだ内容になっています。
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2018年春、実写映画公開!
2018年4月27日、桜井日奈子さんと吉沢亮さん主演で実写映画が公開されました。
メインキャスト
主人公の光希と遊のキャスティングで、もっともこだわったのは「見た事のない組み合わせ」だったそうです。
遊を演じた吉沢亮さんを抜擢した理由として、この映画の松橋プロデューサーは「あれだけの顔面を持っているのに、それを全力で使ったことが一度もない」と述べていらっしゃいます。実力と魅力で勝負されてきた俳優さんだから抜擢したという意味でしょう。
一方、光希を演じる桜井日奈子さんの抜擢理由は「フレッシュで色がついていない女優さんだったから」です。連載終了から、25年以上たっても絶大な人気を誇る少女漫画作品のため、大勢の原作ファンの気持ちへの配慮が必要と考えたようです。
この映画が公開されたのは2018年4月ですが、桜井さんは、同年11月にやはり少女漫画が原作の「ういらぶ。」でヒロインをつとめていらっしゃいます。それを考えると、桜井日奈子さんが「ママレード・ボーイ」の制作企画時期に、女優として本格的に活動し始めていたのは運命的な事だといえます。
小石川光希 | 桜井日奈子 |
松浦遊 | 吉沢亮 |
須王銀太 | 佐藤大樹(EXILE / FANTASTICS) |
秋月茗子 | 優希美青 |
三輪悟史 | 藤原季節 |
鈴木亜梨実 | 遠藤新菜 |
名村慎一 | 竹財輝之助 |
三輪由充 | 寺脇康文 |
小石川仁 | 筒井道隆 |
松浦要士 | 谷原章介 |
小石川留美 | 檀れい |
松浦千弥子 | 中山美穂 |
「日常感」へのこだわり
この作品で、廣木隆一監督がこだわったのは、「何気ない日常感をだすこと」でした。
シェアハウスは本物の一軒家
光希と遊と両親Sの6人で住むシェアハウスの撮影のために、住宅地に4LDKの一軒家が建てられました。内装を、「小石川家と松浦家が各々自分たちのものを持ち寄った」という雰囲気作りをしており、撮影現場を訪れた吉住渉先生は、その細かな設定に感動していらっしゃったそうです。
食事と食卓
この映画は、小石川家と松浦家の初顔合わせをした場所がレストランであり、光希が遊のことを「ママレード・ボーイだね」と言ったのは、2人で食卓を囲んでいるシーンであったりと、大切なことが「食事の場」でおこります。
そのため、すべての食卓シーンに登場するメニューは、廣木監督が考案したのだそうです。
Blu-ray&DVD発売、デジタル配信中
2018年9月12日、Blu-ray&DVDが発売されました。
ママレード・ボーイ
デジタル配信は、AmazonやU-NEXT、SPOOX(スプークス)からご覧になれます。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は、吉住渉作「ママレード・ボーイ」の実写映画について、お話しさせていただきました。
「実写化してほしい少女漫画」でダントツトップだった、「ママレード・ボーイ」。
廣瀬監督にとって今回は、大きな挑戦となったそうです。この作品は「若い子たちと大人たちの恋愛がからみあう」という珍しい内容のため、難易度が高かったようです。
たしかに、内容が複雑なうえに、原作では、登場人物たちが単行本全8巻の長さの中で、三角関係や試練をじっくりと悩みながら乗り越えていったことを、映画の127分間の中で行うのは大変だったのだろうと思います。
しかし、ご自身の「演技力」で勝負してきた吉沢さんと、その後も「ういらぶ。」のヒロインを獲得されるような実力派になっていかれている桜井さん。
そして、意外にも、この映画で初共演となった両親Sの筒井道隆さん・谷原章介さん・檀れいさん・中山美穂さんの存在感が頼もしくこの映画を支え、見応えのある作品になっています。
読んで観て楽しんでいただけたらうれしいです。
ありがとうございました。