こんにちは。漫画ソムリエのななです。
今回は、あだち充作「陽あたり良好!」に登場するテレビ番組「クイズアップダウンでお買いもの」についてお話します。
このページでわかること
- 当時放送されていた、テレビ番組「アップダウンクイズ」について
- パロディー番組の共通点と相違点
- 「アップダウンクイズ」の司会者と出題担当者について
視聴者参加型のクイズ番組「アップダウンクイズ」
1963年10月から1985年10月まで、視聴者参加型のクイズ番組「アップダウンクイズ」がTBS系列で放送されていました。
全国から毎回6人の解答者が選ばれ、解答者は、ゴンドラの解答者席に着き、早押しクイズに挑戦して10問正解すると、ハワイ旅行と賞金を獲得することができるという内容です。
この頃は、今のように海外旅行が当たり前という時代ではなかったため、「ハワイ旅行」は当時のテレビ番組の賞品の定番でした。
かすみと勇作、「クイズアップダウンでお買いもの」に出演!
「陽あたり良好!」第2部第8話「クイズ番組はお好き?」では、かすみと勇作が、視聴者参加型のテレビ番組「クイズアップダウンでお買いもの」に解答者として出演しました。
この番組は、上記で紹介したTBS系のクイズ番組「アップダウンクイズ」と同じく、解答者席がゴンドラで、テレビ局名は「TSB」となっているところからパロディ番組だとわかります。
けれども、番組のルールは少し異なっています。
解答者数 | ルール | 賞品 | |
---|---|---|---|
実在の番組 | 各1名 | 10問正解で賞品を獲得できる | ハワイ旅行と賞金10万円 |
漫画の番組 | 各1組の男女 | 10問正解しても、豪華賞品を手に入れられるとは限らない | カップルの女性の体重分だけ、買い物をすることができる権利 |
この漫画は、あだち充先生の作品の中で、比較的ユーモア多めの作品のため、賞品の内容に少しつっこみどころがあります。
現在では、コンプライアンスもあるため、こういったユーモアを描くことはむずかしくなっているかもしれません。
この「カップルの女性の体重分だけ買い物をすることができる権利」というのは、権利を獲得したカップルの男性が、番組が用意した様々な賞品から欲しいものを選び、その重さの合計が、女性の体重上下5キロ以内であれば、すべてもらえるという権利です。
一見簡単そうですが、番組側もちゃんと考えており、用意された賞品の大きさは、ポータブル音楽プレイヤーから大型家電・自転車など様々です。
ただし、失敗しても、スポンサーから残念賞「ポンカレー1年分と福神漬け」をもらうことができます。
さて、かすみと勇作は10問正解したのでしょうか。豪華賞品をGETしたのでしょうか。それとも…。
大塚食品 ボンカレー ゴールド 選べる20個(10個単位選択)【送料無料(沖縄・離島除く)】ここで、この「クイズアップダウンでお買いもの」で出題された問題を1問のせたいと思います。
昨年日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞したのはたのきんのだれ?
漫画「陽あたり良好!」より
「たのきん」を知っていると、漫画の連載時期を知らなくても、正解する確率が高くなりますね。この問題を読むと、漫画の時代背景や番組のゆるさが伝わってきます。
この番組の司会者と出題担当者はこのお2人!
22年の長寿番組「アップダウンクイズ」で司会者を務めた方は3人いらっしゃいました。
- 初代:市村俊之さん(1963年10月から1964年3月
- 2代目:小池清さん(1964年4月から1983年9月
- 3代目:西郷輝彦さん(1983年10月から1985年10月)
当時、毎日放送のアナウンサーだった小池清さんは、番組開始当初、出題担当者を務めていました。しかし、市村俊之さんが司会者を半年で降板なさり、2代目司会者を引き受けることになります。
そのため、出題担当者のポストが空き、毎日放送の女性アナウンサーが担当者を何人か交代した後、1972年11月からは佐々木美絵さんが番組終了まで務めました。
「小池清司会・佐々木美絵出題」のコンビは、1972年11月から1983年9月までの11年間という長い間、視聴者に親しまれることになります。
「陽あたり良好!」が連載されていたのは、1980年から1981年で時期も合わさるため、「クイズアップダウンでお買いもの」の司会者のモデルは小池清さん、出題担当者のモデルは佐々木美絵さんと思われます。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回は、あだち充作「陽あたり良好!」に登場したテレビ番組と、そのモデルとなった番組についてお話しました。
「陽あたり良好!」は、第1部が甲子園を目指す高校生たちのお話がメイン、第2部は「ひだまり」の住人たちの日常がメインの内容になっています。
また、あだち充先生の作品の中では数少ない少女漫画作品です。読んで楽しんでいただけたらうれしいです。ありがとうございました。